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麹と糀
まず、「こうじ」といっても「麹」と書く時と「糀」と書く時がある。実はどちらも「こうじ」と読むのであるが、「麹」は中国の漢字で、もともとは麦を原料に作られたものだった。一方「糀」は日本で作られた漢字で、米にコウジカビが生える様子は花が咲いたようなので、「糀」になった。漢字は異なるが、いずれも「こうじ」であることに変わりはない。
では、麹とは何なのかというと、原料の麦や米、豆などの穀物を蒸して、そこに麹菌をつけて繁殖させたものである。米につけられた麹菌は米麹、麦の場合麦麹、豆の場合は豆麹になる。
●麹(糀)は国菌
日本醸造学会は、「日本人が古来から大切に育み、使用してきた貴重な財産」であるとして、2006年に麹を国菌に認定した。カビの中でも麹菌は、味噌やしょうゆ、酒などの原料になる菌であり、日本人の食生活を支える大きな柱なのである。また、麹を用いた発酵食品があるのは、東アジア・東南アジアの中でも日本だけであり、麹は我が国固有のものでもある。
●麹菌の種類
麹菌にはいくつか種類があり、それぞれ用途が異なっている。代表的なものを紹介する。黄麹菌は黄色や黄緑、黄褐色をしていて、味噌やしょうゆ、清酒の製造に使われる。また、白麹菌は焼酎の製造に、黒麹菌は泡盛を作るのに利用される。かつお節に用いられるかつお節菌も麹菌の一種である。